『銀行員は連続休暇を絶対に取らないといけない決まりになっています』
これを銀行員以外の方が聞くと「休みがしっかり取れて羨ましいな~」と思うかもしれません。
ですが、銀行員には“連続休暇を取らなければいけない理由”が存在するのです・・・
目次
銀行員は不正チェックのために必ず連続休暇を取らされる
銀行員はほぼカレンダー通りに営業しているため、お盆休みはありませんし、年末年始もそこまで長く休めません。
その代わりと言ってはなんですが、銀行員にはちゃんと連続休暇(一週間程度の長期休暇)を取れる制度が設けられています。
しかしこれは、「休暇を取ってもいいよ~」という制度ではなく、必ず取ることが義務付けられている強制力の強い制度なのです。
しかも、銀行員の連続休暇は銀行が勝手に義務付けているのではなく、監督省庁である『金融庁』から言われています。

人事管理に当たっては、事故防止等の観点から職員を長期間にわたり同一業務に従事させることなくローテーションを確保するよう配慮されているか。人事担当者等と連携し、連続休暇、研修、内部出向制度等により、最低限年一回、一週間以上連続して、職場を離れる方策をとっているか。職員教育において、職業倫理が盛り込まれているか。なお、派遣職員等についても、事故防止等の観点から、可能な範囲で職員と同様の措置を講じているか。
このように「事故防止=不正チェック」といった観点から、銀行員は連続休暇を取らなくてはいけないルールになっています。
休みの間にどんなことをチェックされるのか?
実際、連続休暇中にはどんな具合に不正をチェックしているのか気になりますよね?
知り合いの銀行員にも話を聞いたところ、銀行によって対応状況はマチマチでしたが、やはり厳格にチェックしている所が多かったです。
不正チェックの一例はこんな感じです。
専用の不正チェックシートに沿って確認
銀行によって、連続休暇を取る行員用の「不正チェックシート」なるものが存在します。
この専用シートにはチェック項目がいくつもあって、その項目に沿って検査を実施していきます。
チェック項目の例を挙げるとこんな感じです。
☑ デスクの引き出し等に怪しいものは入っていないか
連続休暇中に担当者のデスクや、普段使っている書類等をチェックします。デスクの引き出しに「お客さんの通帳」、「現金」、「印紙・切手」などが入っていたら、当たり前ですがアウトです。不正を疑われます。
他にも、お客さんから頼まれたのに長期間放置している書類(手続き)がないか等も調べます。
☑ お客さんから不審な問合せはないか?
お客さんから「この前預けた通帳と印鑑が返ってきてない」、「かなり前に定期預金の解約を依頼したがどうなっているか?」等の不審な問合せが来たら不正を疑われます。
また、上司が担当者(休暇を取っている人)の取引先に直接訪問し、「日頃の対応に問題はないか?」等の聞き取り調査を行う銀行もあります。
☑ 休暇の予定日を何回も変更していないか?
連続休暇の予定は「数ヶ月前から予定を組むことになっている」、「1度決めたら余程の理由がないと変更できない」といった銀行もあります。
休暇の予定を何回も変更すると、「何か休みたくない理由でもあるのか?」と不正を疑われます。

休みの前にチェックしておこう!

人が休んでいる時に色々とチェックされるのは、正直、良い気持ちはしません。
“休んでいる気がしない”という方も中にはいると思います。
しかし、やましいことがないのであれば、気持ちを切り替えてせっかくの長期休暇を満喫しましょう。
そのためにも、連続休暇に入る前には以下の点をチェックしておくと良いと思います。
- 机や身の回りをキレイにしておく:身の回りが散らかっていると、かえって隅々までチェックされてしまいます
- 未処理の案件を極力減らす:自分が気持ちよく休むためにも、未処理の案件は減らしましょう
- 引継ぎはしっかり行う:引継ぎがいい加減だと、残された人の負担が増加します(最悪、あとで文句を言われます)
あらぬ疑いをかけられないのはもちろん、自分が安心して休めるように、休暇前には十分な準備をしておきましょう!
連続休暇はいつ頃取ることが多い?
幸い、連続休暇を取る月日までは決められていません。
ちなみに、銀行員が休暇を取りやすい人気の月は7月、8月、11月、2月などです。
【11月、2月が人気な理由】銀行の行事(異動や決算)が比較的少ない
逆に人気がないのは4月、9月、10月、3月などです。
【3月、9月が不人気な理由】上半期・下半期の決算があるので上司からのプレッシャーがすごい
