目次
ファイナンシャル・プランニング技能士3級(FP3級) 概要
難易度 | ★★☆☆☆ |
必要性 | ★★★☆☆ |
社内評価 | ★☆☆☆☆ |
- 勉強時間(目安):2ヶ月~3ヶ月程度
- 合格点:6割以上
※難易度、勉強時間には個人差があります。勉強はできるだけ早めに取りかかろう!
ファイナンシャル・プランニング技能士3級(FP3級)ってどんな試験?
ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、FP)は、相談者の夢や目標を達成するために、相談者の資産状況やお金の流れ、今後のライフプランなどを分析し、さまざまなアドバイスや資産設計を行い、併せてその実行を援助する役割を担います。
FPはお金に関するアドバイザーとなるための資格であり、銀行員の仕事と親和性が高く、銀行業務にとても役に立つ資格と言えます。
FP試験には1級、2級、3級があり、3級は難易度が一番易しい試験です。
勉強すれば受かる試験なので、銀行へ就職を考えている学生、銀行内定者、若手行員には是非チャレンジしてもらいたい資格です。
また、お金に関する基礎的な知識が身に付くので自己啓発にも最適です。
ちなみに1級、2級、3級ともに“学科試験”と“実技試験”があります。
この“学科試験”と“実技試験”の両方に合格すると、FP3級を取得できます。
また、どちらか一方に合格した場合には一部合格となり、その合格した科目(学科もしくは実技)を免除することができます。
(※ただし、試験日の属する年度の翌々年度末までに行われる試験に限る)
「えっ!“実技試験”って何??面接試験でもやるの!?」
と身構えたそこのあなた!ご安心ください。
“実技試験”と言っても、1級以外は面接試験はありません。“実技試験”は普通の筆記試験です。
しかもFP3級の“実技試験”は選択式なので、マークシート方式の学科試験となんら変わりありません。
どちらも試験会場で机に向かって問題を解くだけです。
「実技試験は面接試験じゃないにしても、なんだか難しそう・・・」
そう感じたあなたもご安心ください。実技試験はある程度出題される問題が決まっているので、対策をすれば難なく解答できます。
合格点と合格率
ちなみにFP試験の合格点は6割以上です!
7割以上で合格とする資格試験が多い中、6割ならなんとか取れるような気がしませんか?
学科試験は60点満点なので36点以上で合格です!
実技試験は50点満点なので30点以上で合格となります!
そして気になる合格率ですが、記事を書いた直近の試験を見てみると…
<学科試験の合格率>(※きんざい実施分)
2018年9月実施 : 61.64%
2018年5月実施 : 57.84%
2018年1月実施 : 65.34%
2017年9月実施 : 69.95%
2017年5月実施 : 55.12%
<実技試験の合格率>
【個人資産相談業務】
2018年9月実施 : 51.46%
2018年5月実施 : 71.20%
2018年1月実施 : 67.13%
2017年9月実施 : 75.83%
2017年5月実施 : 59.69%
【保険顧客資産相談業務】
2018年9月実施 : 34.32%
2018年5月実施 : 35.69%
2018年1月実施 : 42.98%
2017年9月実施 : 67.05%
2017年5月実施 : 40.60%
【資産設計提案業務】(※日本FP協会実施)
2018年9月実施 : 86.50%
2018年5月実施 : 90.47%
2018年1月実施 : 89.07%
2017年9月実施 : 85.37%
2017年5月実施 : 86.18%
上記の通り、合格率は5割以上になることが多いようです。
ちなみに試験は1月、5月、9月の年3回行われます。
自分の現在の知識や勉強の進捗状況を考慮して、勉強スケジュールを組んでから受験日を決めましょう!
社内評価はあまり高くありませんが、銀行員として知っておいた方が知識が多いので、自己啓発の一環として積極的に受験することをオススメします!
どうやって勉強すればいいの?
FP3級は内容もそこまで難しくなく、合格点も6割以上とハードルは高くないので、独学でも十分に合格できると思います。
それでは、“学科試験”と“実技試験”に分けて勉強方法を紹介していきたいと思います。
学科試験
“学科試験”は以下の6つの分野に分かれています。
A.ライフプランニングと資金計画
B.リスク管理
C.金融資産運用
D.タックスプランニング
E.不動産
F.相続・事業承継
各分野を効率よく、満遍なく勉強することが試験合格のカギとなります。
ちなみに、個人的な見解を含みますが、各分野のオススメの勉強順をご紹介します。
【第一優先順位】
A.ライフプランニングと資金計画
D.タックスプランニング
「ライフプランニングと資金計画」はFPのイメージに近い内容が多く、他の分野に比べて理解しやすいのが特徴です。
最初の学習に向いている分野であり、今後の勉強に勢いをつける為にも優先したい分野です。
「タックスプランニング」(税金の知識)は計算が多く難易度はやや高いものの、他の分野でも使う知識が多いのが特徴です。
税金はお金の話題に必ず付いてくる基本的な知識であり、他の分野でつまづかない為にも早めの学習をオススメします。
【第二優先順位】
B.リスク管理
C.金融資産運用
「リスク管理」、「金融資産運用」は保険商品や資産運用の話が中心となるので、日頃から商品を取り扱っている銀行員には馴染みがある分野かと思います。
実務に直結する知識があったり、逆に実務で覚えた用語が出てきたりと学習が捗りやすい分野です。
その為、モチベーションの下がりやすい中盤戦の勉強に向いていると言えます。
【第三優先順位】
E.不動産
F.相続・事業承継
「不動産」、「相続・事業承継」は銀行の担当業務によっては馴染みの少ない分野です。
その為、難易度はやや高いと言えます。
しかし、ここまで勉強してきた方なら十分覚えられる内容なので心配はいりません!
あと一歩でFPになれることを考えれば、ラストスパートで乗り切れるはずです。
人によっては一部に苦手分野があるかもしれませんが、全体的にはそこまで難しくありません。
6つの分野に分かれているので、勉強がうまくいかない時などは、気分転換に得意の分野・興味のある分野を覚えるのも手だと思います。
まずはテキストをよく読んで用語や計算式を覚えていきましょう!

- まずはテキストをよく読んで用語や計算式をインプットしよう!
- テキストを一通り読んだら問題集にチャレンジ!
- 勉強が思うように進まない時は、分野を変えて気分転換してみよう!
実技試験
FP3級の実技試験は①個人資産相談業務(きんざい実施)、②保険顧客資産相談業務(きんざい実施)、③資産設計提案業務(FP協会実施)の3つの分野に分かれています。
それぞれの特徴を挙げると・・・
- 個人の資産に関する問題が多く出題される試験です。
- 学科試験で勉強した範囲から幅広く出題されます。
- 幅広い商品を扱う銀行員に適していると言えるでしょう。
- 自己研鑽として利用する人も多いのが特徴です。
- 多くの受験生は「①個人資産相談業務」を受験しています。
- 保険の分野(学科試験でいうとリスク管理)から多く出題される試験です。
- 保険会社に勤務している人をはじめ、保険商品を扱う機会が多い銀行員向けです。
- 保険の知識を中心に自己研鑽したい人にもオススメです。
ほとんどの銀行員が①個人資産相談業務を受験すると思います。
ただし、会社から指定がなく、「保険の知識に自信がある!」、「保険についてもっと詳しく学びたい!」という人は②保険顧客資産相談業務を受けてみるのも良いと思います。

- 実技試験といっても学科試験の延長です!難しく考えないで大丈夫!
- ただし対策は必要なので、3~4週間くらい前からコツコツ進めよう!
- ある程度、出題パターンが決まっているので練習問題を多く解いた人の勝ち!
あくまで学科試験の延長ですが、学科試験に集中しすぎて「実技試験まで手が回らなかった!」というのはよく聞く話です。
対策は必要なので、心配であれば学科試験と並行して勉強しましょう!
学科試験と並行して勉強すると、知識が定着しやすいといったメリットもあります。
(時間配分に気を付けないと最後まで終わらない可能性もあるので注意が必要です。)
おすすめ参考書
参考書は自分に合ったものを選ぶのが最適ですが、FPの参考書って種類が多くてなかなか選べないんですよね・・・
そんな方の為に、おすすめの参考書をピックアップしたので、もし良ければ参考にしてみてください。
おすすめテキスト(その①)
今、話題のテキスト。本屋さんに行くと平積みにされていることが多いです。
特徴はなんといっても全ページ、オールカラーで分かりやすいこと!
図解やイラストも多く、初学者でも頭に入りやすい作りになっています。
また、スマホ学習対応・赤シート付とスキマ時間にも学習しやすい工夫が満載!
売れているのも納得の内容になっています。
やや説明不足や物足りない箇所もあるので、ネット等で補完しながら学習をすると良いと思います。
おすすめテキスト(その②)
管理人おすすめのテキストです。
適度なボリュームで解説も分かりやすく作られています。
しかもカラーで頭に入りやすいのが特徴です!
用語や計算方法などの説明が非常に丁寧に書かれているので、インプットはこれ1冊で十分!
試験の出題カバー率が高いことを売りにしているだけあり、問題集への移行もスムーズにいきます。
おすすめ問題集(学科編)
FP問題集の定番です。
なぜならFP試験を実施している“きんざい”が作成しているからです!
この問題集を2~3周回すことが合格への近道です。
問題の解説も非常に丁寧で、かつ問題数のボリュームも適度。
FPの問題集はこれ一択と言っても過言ではありません!
(余談①)
“きんざい”が作成しているテキストもあるのですが、テキストはボリュームが多すぎるので個人的にはあまりオススメしません。
(余談②)
昔は浮世絵が表紙に使われていた為、「通称:浮世絵」として受験生に親しまれてきました。ですが、最近では浮世絵は表紙に使われなくなってしまいました。
先輩に「浮世絵のやつがオススメだぜ!」と言われたら、この本のことを指しています。
おすすめ問題集(実技編)
こちらも学科編と同じく“きんざい”が作成している問題集。
この問題集を難なく解けるレベルになれば、本番でも心配いりません。
解説も丁寧であり、頭に残りやすいです。
受験する実技試験と同じものを選びましょう!
(番外編)通勤におすすめハンディサイズ
「通勤時間が長い!」、「隙間時間を有効活用したい!」
そんな人の為に、ハンディサイズの本を紹介。
バスや電車、カフェなどでも取り出しやすい大きさです。
要点が非常によくまとまっていて、インプットとアウトプットが同時にこなせます。
カバンの中に1冊入れておけば、学習がはかどります。