こんにちは!タスク(@bb_tasku)です!
今日お話しするのは、不成行為を分析するのに役立つ、「不正のトライアングル」について!
銀行員が何故、不正に走ってしまうのかを解説します!
「不正のトライアングルとは?」
そもそも「不正のトライアングル」とは何かと言うと…
アメリカの組織犯罪研究者ドナルド・R・グレッシーさん(1919-1987)という方が、横領犯の裁判記録や聞き取り調査などをもとに、人が不正行為してしまう原因を3つの要因に分解してまとめたものです。

上の図のように、不正のトライアングルは、『動機』、『機会』、『正当化』に分類されます。
この考え方によると、人は横領を犯す『動機』を持ち、横領を犯せる『機会』を認識して、自分の横領行為を『正当化』できる理由を見出した時に、実際に横領行為に踏み切ってしまうと示されています。
ちなみに、不正のトライアングルは横領行為が題材となっていますが、横領以外の不正行為にも当てはまると考えられます。
例えば、銀行でよく挙げられる不正行為として、①横領、②不正融資、③反社会的勢力への利益供与、④リスクの高い金融商品の不正勧誘、⑤顧客情報の売却などでも、この不正のトライアングルは成立します。
不正のトライアングル:『動機』
ではでは、『動機』とはどのようなものが挙げられるでしょうか。
一例を挙げてみると…
- ギャンブルやFXなどで大きな損失を出してしまった
- 遊興費や高額商品が欲しい
- 目標を達成しないと給与に響く
- ノルマを達成しないと上司に怒られる
などが考えられます。
不正行為を行ってしまう前段として、心の中に動機が生まれることが分かりますね。
不正のトライアングル:『機会』
次に『機会』です。
これはどのようなものが考えられるかというと…
- 現金の管理が不十分で行動に移せる隙がある
- 上司・部下の目が届かず、単独で処理できる
- 書類などの証拠が残らない、または隠ぺい・改ざんが容易
などが挙げられます。
基本的に第三者のチェック機能が働かない場合に不正行為をする『機会』が生まれます。
不正のトライアングル:『正当化』
最後に『正当化』です。
- 一時的にお金を借りるだけで、あとで返せば問題ない
- 会社が自分をきちんと評価しないから悪い
- 第三者が関与しないのが悪い
- 他の人もこれくらいならやっているだろうから大丈夫
といった考えから、不正行為を正当化してしまうものです。
軽い気持ちや甘い考えが正当化につながってしまいます。
以上の3要素が揃った時、人は不正行為を犯してしまいます。
銀行員によくある不正行為で例を挙げると、FXや株の信用取引で大損をしてしまい〔動機〕、上司の目の届かないお客さんの預金を〔機会〕、一時的に借りるぐらいの軽い気持ちで〔正当化〕横領してしまった。というケースがかなり多いような気がします。
上記の例でも他の不正行為でも、内容を見ていくと必ずこの『動機』、『機会』、『正当化』が当てはまります。
どうやったら不正はなくせるのか?
では、どうやったら不正行為はなくせるのでしょうか?
不正のトライアングルになぞって考えると、対応策も浮かんできます。
例えば…
- 過度なプレッシャーをかけない⇒動機の防止
- 結果だけでなくプロセスも評価する⇒動機の防止
- 同僚や部下の業務を把握する⇒機会の防止
- 連続休暇・長期休暇を取得する⇒機会の防止
- 行内ルールの周知させ、重要性を認識させる⇒機会、正当化の防止
- 処分内容の周知⇒正当化の防止
- 不正をしても後で必ず見つかることを理解させる⇒正当化の防止
などが対応策として挙げられます。
銀行員は、この不正のトライアングルで思い当たる節はないか、改めて自分のプライベート・業務を振り返って考えてみるのも良いかもしれませんね。
もし、少しでも該当するようであれば、他の要因も該当してしまわないよう自身を律してください。
銀行員はお金と向き合うことが多い業種。『動機』、『機会』、『正当化』となり得ることも非常に多いです。
ですが、不正は必ず見つかりますし、周りの人が不幸になります。
苦労も多いですが、不正にだけは手を染めず着実に仕事をしていきましょう!
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