続報・商工中金で不正融資 本部ぐるみで隠ぺいしていたみたい

続報・商工中金

続報・商工中金の不正融資問題 本部も関与

政府系金融機関の商工組合中央金庫(商工中金)は4月25日、災害や景気低迷に苦しむ中小企業に設備投資の資金などを貸す「危機対応融資」で、融資先企業の書類を改ざんする不正が816件あったと発表しました。

不正は35支店、職員99人が関与し、融資した金額は198億円に上っています。
これに伴い、本来国から受けられない利子補給金額は約1億3千万円になるそうです。

第三者委員会は、残る融資も調査を継続し、さらに不正が見つかる可能性もあるとしています。

また、第三者委員会の調査では、支店のみならず、なんと本部が早くから不正を認識していたにも関わらず、“隠ぺい”を行っていたことも明らかにしています。

2014年12月~2015年1月、本部の監査で支店の資料の改ざんがあったことが発覚し、経営陣にも報告していましたが、所管する経済産業局には報告されることはなく、内部で処理されていたそうです。

不正融資の手口

第三者委員会は、代表的な不正の手口を紹介しています。

(1)日付の改ざん
危機要件の認定のエビデンスとなる2時点の試算表の日付を入れ替えて日付箇所を改ざんするという手口である。

(2)金額の改ざん
試算表の売上高や粗利益といった危機要件の認定に影響する部分の金額を別の試算表の10数字と入れ替えてしまうという手口である。

(3)自己作成(自作)
エクセル等のアプリケーションを用いて、試算表を自ら作成してしまうという手口である。

(4)虚偽の顧客ヒアリングによる試算表の修正
顧客から受領した真正な試算表に、顧客からヒアリングした内容として手書きで危機要件を充たすよう数字を書き込んでしまうという手口である。

(5)人数の改ざん
危機対応業務のうち、雇用維持に関する利子補給制度は、従業員が減少した場合には一定の要件の下、補給を受けた利子を返還しなければならないものとされている。
そのため、従業員が減少した場合(貸出を実行してから6か月経過後に確認することとされている)、雇用維持を確認するエビデンスの人数を改ざんする(従業員数が減少していないように見せかける)ことも行われていた。

不正行為の背景・動機・原因

不正の背景・動機には制度融資による低利融資の貸出を伸ばすため、本部がノルマとして目標を与え、職員の評価対象としていたことも挙げられます。
そのため、支店では目標達成のため、書類の改ざんが組織的に広まったようです。

第三者委員会も、「不正に対する規範意識が極めて希薄」、「(上司が)見て見ぬふりをしていた可能性が高い」、「過大なノルマや現場へのプレッシャーがあった」と指摘しています。

そもそも、これを見て思ったのが、“入口”の段階でチェック機能が全く働いていないのが問題ですね。

商工中金が「自分で書類を作成して自分で確認する」、言わば『自己完結型』では、このような問題が起こっても不思議ではありません。

民間金融機関では、このような制度融資を使う場合、自治体や保証協会などの“第三者”の目を通すのが一般的です。

政府系金融機関だからといって、チェック機能を甘くしてはダメなんですね。

ちなみにこの一件を受け、経済産業省と財務省が行政処分の検討にも入っているようです。

不正融資の全容解明と、組織の意識改革が急がれるところです。
SNS連動はこちらから!


<スポンサードリンク>

<関連記事>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です