行員も関与!?スルガ銀行のシェアハウス不正融資問題まとめ

シェアハウス

2018年5月15日、スルガ銀行は「平成30年3月期決算発表」と合わせて、「シェアハウス関連融資問題について」というタイトルのプレスリリースを公表しました。

シェアハウス問題がおおやけになってから、「当行は関与していない」とのコメントを続けていたスルガ銀行でしたが、今回、行員の関与を一部認めた形になりました。

このプレスリリースを基に、スルガ銀行がどのように不正を行っていたか、見ていきましょう。

スルガ銀行横領

不祥事のオンパレード!?スルガ銀行の行員が顧客のお金を約1億6,500万円流用し融資金へ

2018-08-15

「シェアハウス関連融資問題」の経緯

事の発端は、首都圏で女性専用シェアハウスを運営する不動産会社「スマートデイズ」が、シェアハウス用物件の購入者に対し、物件を借り上げる際に保証した賃借料の支払いを突然停止したことから始まります。

ちなみに、スマートデイズのシェアハウスのブランド名が「かぼちゃの馬車」だったことから、別名「かぼちゃの馬車事件」などと呼ばれることもあります。

そのシェアハウスの所有者の多くが、スルガ銀行から融資を受けていたのですが、その際に審査が通りやすくなるよう、預金残高の資料が改ざんされたという話や、不必要なフリーローン(無担保ローン)を同時に借りさせられたという話が広がり、問題が顕在化してきました。

当初、スルガ銀行は関与していないという姿勢を取りつつも、シェアハウスの所有者に書面アンケートを行い、真相解明に努めていました。

そして、冒頭の2018年5月15日、「シェアハウス関連融資問題」について(外部リンク)というタイトルのプレスリリースを公表し、ついには行員の関与も認める結果となりました。

シェアハウス関連融資問題の経過と今後の対応

かぼちゃの馬車
スルガ銀行の発表内容を抜粋していくと…

1.シェアハウス関連融資の全体像

  • 2018年3月末時点で、シェアハウス案件についてスルガ銀行から融資を受けている方は1,258名、融資残高は203,587百万円。

※スマートデイズ社に関わるものに限られません。

2.お客さまへの対応状況について

  • 2017年12月、シェアハウス案件のお客さま対応の一環として「お客さま対応チーム」を設置。同チームにて、お客さまからのお問合せや今後のご返済条件の見直しについての相談など、お客さまのご事情に応じて個別に対応。
  • 同チームの活動により現時点で既に90%以上のお客さまとコンタクト済。
  • お客さまのご要望に沿った最善の解決策(金利の引下げや元金の据置等の条件変更)をご提案し、順次契約手続等を速やかに実施。
  • また、2018年2月には、封書によるアンケートを実施するなど、融資実態の把握に努めている。
  • 現在もご返済に延滞が生じたとしても法的措置等の対応はとっていない。

3.報道等により指摘されている事項について

  • 危機管理委員会の調査やスルガ銀行による顧客アンケート及び社員アンケートなどにより、融資を受けるに際してお客さまの自己資金の残高を証明する通帳等の偽造や改ざんが行われていたこと、より多額の融資を受けるために実際の売買契約書とは別に売買代金額を水増しした「銀行提出用」の売買契約書が作られていたこと(二重契約)などが判明。
  • また、これらの事実については、相当数の社員が認識していた可能性が認められている。
  • 第三者委員会に徹底した調査をお願いし、スルガ銀行も全面的に協力。

4.現時点での問題認識と対応策

(1)営業及び審査の体制
(イ)現時点での問題認識

  • 当社は、シェアハウス関連融資の営業推進にあたり、投資用不動産融資の一つとして不動産業者を窓口とした営業(チャネル営業)を活用してきましたが、土地売買価格の水増し(二重契約)や自己資金確認資料の偽造や改ざんといった不正が行われていたことが判明いたしました。
  • また、前年比増収増益を継続しなくてはならないというプレッシャーから、事実上、営業が審査より優位に立ち、営業部門の幹部が審査部に圧力をかけるような状況も生じておりました。この結果、審査機能が十分に発揮できていなかった面があると認識しております。

(ロ)現時点での対応策

  • 不動産担保ローンにおいて不動産の販売業者は融資先ではありませんが、今般の事案を受け、自社での調査能力を拡充させるなど質的な改良を加えつつ、外部調査機関も活用することによりさらなる厳正化を図ります。
  • また、審査機能を強化するとともに、営業部門内にも営業推進と業務管理の双方を統括する責任者を配置いたしました。各営業店においては、所属長が規程に則ったプロセス管理を厳正に行なうことで、初期の与信管理を徹底し、自律的統制機能を強化しております。

(2)コンプライアンス体制
(イ)現時点での問題認識
①自己資金の確認について

  • 自己資金確認資料(通帳等)については、原本確認を行うべきこととなっていたにもかかわらず、その手続が省略され、また、インターネットバンキングについては、入出金明細の確認にあたり Web 上の画面を印刷したものの確認に止まっていた件も多く存在しました。
  • また、営業社員の中には、通帳などの自己資金確認資料やその他当社への提出される資料が偽造・改ざんされた可能性があるとの疑念を抱いていた者もいたことが確認されており、これらの事実については、相当数の社員が認識していた可能性が認められております。
  • 融資実行時にお客さま自らが自署、押印した「自己資金確認書」を差し入れいただき、自己資金もご本人に明細を記入していただいていた営業店がございました。

②土地売買契約締結について

  • お客さまと不動産業者との間で、土地売買契約締結に際して、正規の売買契約書とは別に、当社から過剰融資を引き出すための「銀行提出用の契約書」や「変更契約書(覚書)」などが締結されていたことが確認されています(二重契約)。
  • 二重契約に対しては、銀行側としての対応策が十分にできておりませんでした。しかし、二重契約の存在については、相当数の社員が、その可能性を認識していたと考えられます。

③フリーローン等の販売について

  • 定期預金や積立定期預金は、将来的な修繕費用の備えとして、耐用年数を超える期間の融資を実行するために必要であると判断してご提案したものです。
  • しかし、フリーローンについてはそのような背景はなく、お客さまにお願いして契約していただいたものでした。

④全般的に、営業成績を重視した結果、目先の成績の追求に走りコンプライアンス意識が低下し、お客さま本位の業務運営が不十分になったものと認識しております。

(ロ)現時点での対応策

  • 危機管理委員会からは「お客さま本位の業務運営」ができていなかったとの指摘を受けております。このため、コンプライアンスの再徹底はもとより、「お客さま本位の業務運営」を徹底、実践する態勢を構築してまいります。
  • また、自己資金の確認において通帳等の現物を確実に確認する仕組みを構築する等、厳正な融資審査が行われる態勢を強化してまいります。
  • また、従前は個人の営業実績にウエイトをかけた人事評価を行っておりました点につきましては、今年度より定性評価項目の割合を拡大させた人事評価を導入しております。

(3)経営管理体制
(イ)現時点での問題認識

  • 当社は、金融環境が激変する中、いち早くリテールビジネス戦略を展開し、個人ローン営業に特化してまいりました。そのような中、意思決定の迅速化を図るため執行役員制度を採用し、経営と執行を分離することで、決裁権限の明確化を図りました。
  • しかしながら、シェアハウス関連融資については、それまでの資産形成ローンの一つとして捉えるのみであり、経営として全体的な規模感やビジネスリスクを把握しておらず、ガバナンス機能が不十分であったものと認識しております。

(ロ)現時点での対応策

  • 会社全体のリスク管理態勢の適正化ならびに一層のガバナンス強化のため、取締役会、経営会議、執行会議の会議体の見直しを中心とした機構改革を行いました。

以上、スルガ銀行プレスリリース『「シェアハウス関連融資問題」に関する経過のご報告と今後の対応について』より抜粋・編集

この中身を見ていくと、行員が不正を認識しながらも融資を行っていた実態が浮かび上がってきます。

また、その要因には増収増益へ向けたの過度なプレッシャーや、営業部門による審査部門への圧力などが挙げられています。

営業偏重の経営が今回の不正融資を招いてしまったといえるでしょう。

金融庁も認めていたスルガ銀行の高収益モデル

ホラー

実はスルガ銀行のリスクを取った高収益モデルは金融庁から称賛されていました。

日銀のマイナス金利の影響で、収益モデルの見直しをせまられている銀行が多い中、スルガ銀行は独自のビジネスモデルを早くから確立し、高収益を築き上げてきました。

しかし、そのモデルも不正があったとなれば話は別です。

今回の件は、多くの人の注目を集めたのはもちろんですが、銀行にとっても「正しい収益モデルとは何か?」を改めて考えさせられる一件となりました。

スルガ銀行横領

不祥事のオンパレード!?スルガ銀行の行員が顧客のお金を約1億6,500万円流用し融資金へ

2018-08-15

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